年間休日はワークライフバランスを保つ重要な指標の一つになります。
クリニックではスタッフ数が少ないため、年間休日が少ない職場が多いです。
特に病院からクリニックへ転職した看護師さんの場合、年間休日を見ずに職場を選ぶとワークライフバランスが低下する恐れがあります。
この記事ではクリニックで働く看護師の年間休日と、休日の多い職場を選ぶ際のポイントをまとめているのでクリニック転職の参考にしてください。
年間休日とは?
そもそも年間休日って何?
年間休日とは
- 1年間に休める休日数の合計
- 年間休日には有給休暇は含まない
年間休日とは会社や事業所が定めている1年間の休日数のことです。
令和4年度の就労条件総合調査の概要によると、労働者一人当たりの平均年間休日は115.3日でした。
労働基準法で定められている年間休日のルール
労働基準法では以下のことが定められています。
労働基準法で定められていること
- 法定休日は毎週少なくとも1日、または4週を通じて4日以上の休日を与えなければならない
- 労働時間の上限は1日8時間、1週間に40時間
労働基準法では休日について上記2点が定められており、年間休日数自体に法的な決まりはありません。
上記のルールの中で各病院・クリニック側が休日数を設定しています。
年間休日の最低日数は?
労働基準法のルールをもとに考えると、最低でも週1日休みがあればいいので最低年間休日は52日になります。
1年間は52週(365日÷7日=約52週)
週1日休みの場合、最低休日数は約52日
えー、少なすぎ!
ただしフルタイムで働く場合、年間休日52日だと労働時間の上限である
1日8時間、1週間に40時間
という労働基準法のルールを超えてしまいます。
このルールを考慮すると、フルタイムで1日8時間働く場合の最低年間休日は105日となります。
1年間の法定労働時間は40時間×52週=2080時間
1年間の労働日数は2,080時間÷8時間=260日
最低休日数は365日-260日=105日
※1日8時間労働の場合
看護師の年間休日は?
件数 | 割合 | |
---|---|---|
100日未満 | 85 |
3.2% |
100〜110日未満 | 389 | 14.6% |
110〜120日未満 | 739 |
27.7% |
120〜130日未満 | 1178 | 44.2% |
130日以上 | 143 |
5.4% |
無回答・不明 | 134 |
5.0% |
計 | 2668 | 100% |
平均(n=2534) | 平均年間休日117.3日 |
看護師の平均年間休日数は117.3日
※2021年病院看護・外来看護実態調査報告書より
多くの看護師は平均して月8〜10日前後休日があるということがわかります。
また看護師の年間休日や有給休暇の取得率の特徴として、施設規模が大きいほど休日数が多く、民間病院やクリニックなど小規模な施設ほど休日数は少ない傾向があります。
クリニックの年間休日
クリニックの年間休日は平均して104〜108日と言われています。
これは月の休みが8日前後、夏季休暇と年末年始がそれぞれ3日前後休みになるイメージです。
クリニックは小規模な職場のためマンパワーが不足しやすく、平均よりも年間休日が少なく有給消化率が低い傾向にあります。
また希望休が取りづらいといったデメリットもあり、職場のマンパワーや経営方針によって差が大きいのも特徴。
その反面、クリニックで働くメリットとして日・祝日に休めてカレンダー通りの休日に近いことが挙げられます。
土日休みのパートナーがいる人、家庭を優先したい人にはメリットが大きい職場といえます。
メリットがあっても、
休日が少ない職場へ転職するの不安だなぁ
職場によって差があるから
求人を見る時の注意点をまとめるね
休日重視ならココに注意
せっかくクリニックへ転職したのに、休みが少なくてQOLが低下した…
なんてことは避けたいですよね。
クリニックへ転職したいけど休日もしっかり確保したい!という方へ向けて、クリニック転職で確認してほしいポイントをまとめました。
- 年間休日数
- 特別休暇の有無
- 求人票の表記をみる
- クリニックの休診日をみる
- 面接、書面で確認する
年間休日数を確認する
まず求人票の年間休日数を確認してください。
年間休日を確認する理由は2点あります。
- 労働環境を知ることができる
- プライベートな時間をどれだけ確保できるかを示す重要な指標になる
クリニックの特徴として、少数精鋭でマンパワー不足になりやすい点があります。
中には年間休日が105日以下の求人もあり、年間休日70日や80日と極端に休みが少ない職場も存在します。
年間休日が極端に少ない職場はマンパワー不足で職員を休ませる余裕がない可能性があるため注意が必要です。
休み重視の人は年間休日120日以上の求人を探すことをオススメします。
年間休日120日以上あれば
ワークライフバランスを保ちやすい
年間休日の例と特徴
年間休日の数字を見ても、
イメージわかないなぁ
休日数別の特徴は
こんな感じだよ!
年間休日105日
- 労働基準法の最低ラインの休日日数
※1日8時間労働の場合 - シフト制の場合、月平均8日休みで夏季休暇と年末年始4日前後休みがあるイメージ
- 完全週休2日の場合、夏季休暇や年末年始休暇がない
年間休日110日
- 完全週休2日の場合、夏季・冬季休暇3日ずつのシフトイメージ
- 公休だけで長期連休を取得するのは難しく、有給取得率次第で休みやすさは異なる
年間休日120日
- 完全週休2日+祝日休みのシフトイメージ
- カレンダー通りの休日数に近い(土日・祝日カレンダー通りに休むと年間休日120日になる)
- 月10日休める計算で、有給取得ができれば長期連休やリフレッシュ日を設けることも可能
クリニックの求人を見るときは、休日数から実際に働いた場合をイメージするようにしてください。
無理なく働ける休日数なのか考えた上で、自分にとってベストな働き方ができる職場を選びましょう。
特別休暇の有無をチェック
特別休暇(法定外休暇)は法律で義務付けられているものではなく、雇用主である病院やクリニック側が独自に設定できるものです。
クリニックによっては特別休暇の設定がなく、有給休暇を当てるケースもあります。
自分が結婚した場合や身内のお葬式などに休みを貰えるのか確認しておきましょう。
特別休暇の例
- 慶弔休暇
- 夏季休暇
- 年末年始休暇
- リフレッシュ休暇
求人票の表記をチェック
求人票でよく見かける表記の意味をまとめました。
間違いやすい表記も多いので、意味を理解した上で求人を選ぶようにしてください。
週休2日制 | 月に1回週2日休みの週があること ※他の週は1日休みの可能性アリ |
週休3日制 | 月に1回週3日休みの週があること ※他の週は2日休みの可能性アリ |
完全週休2日制 | 毎週必ず週2日休みがあること →1年間に休める日数は単純計算で104日 完全週休2日制(日・木)のように曜日が記載されていることもある |
完全週休3日制 | 毎週必ず週3日休みがあること |
隔週休2日制 | 週休2日と週休1日が交互にあること |
4週8休 | 4週間のうち8日休みがあること →1年間に休める日数は単純計算で104日 ※夏季休暇や冬季休暇が別途あれば年間休日数に変動アリ |
4週6休 | 4週間のうち6日休みがあること →1年間に休日数は単純計算で78日 ※夏季休暇や冬季休暇が別途あれば年間休日数に変動アリ |
週休2日って、毎週2日休みって意味じゃないんだね
間違いやすいから注意してね!
クリニックの休診日を確認する
クリニックといっても職場によって休診日は異なり、日・祝日休みの職場や夏季・冬季に長期休暇が取れる職場など様々です。
自分の希望を明確にして、職場の休診日が自分の希望に沿っているかを考えるようにしてください。
また休みが多いクリニックを希望する場合、平日1日休み+土曜午後+日・祝日が休診日のクリニックもおすすめです。
理由として平日1日休み+日・祝日休みの場合、年間休日は120日を超えワークライフバランスが整いやすいからです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
面接・書面で確認する
求人票の確認も大切ですが、クリニックによっては求人票に詳細が載っていないケースもあります。
入職後に「聞いていた内容と違う!」というリスクを避けるために次の2点を確認してください。
確認するポイント
- 不明点は面接で担当者に確認する
- 労働条件通知書で確認する
求人票に詳細な情報が見当たらない場合は、面接時に確認しましょう。
シフトの組み方、有給取得率などそのほか気になることがあれば直接確認するのがベストです。
内定時に交付される労働条件通知書には、休日に関する内容が明記されています。
労働条件通知書の記載事項
- 土日など定例(曜日や日付が特定されている)の休日について
- シフト制の場合、週または月あたりの休日数
- 年間休日数
求人票の記載や、面接時に説明を受けた内容と相違ないか書面でも確認しましょう。
契約前の確認はしっかり
クリニックによって休みやすさは異なる
地域や求人にもよりますが、クリニックであっても年間休日120日以上の職場も存在します。
また以前てへなすのインスタグラムで集計したアンケートによると
- 予約制のクリニックの場合、予約が少ない日に有給消化ができる
- 少人数でも交代で連休を取得できるようシフト調整している
などクリニックによって休みやすさは異なり、クリニック=休めない職場という訳ではありません。
休み重視の場合、年間休日が120日以上のクリニックを選ぶことを軸にしつつ、そのほかの条件もあわせて求人を見るようにしてください。
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- ヒアリングから求人の紹介まで対応がスピーディー
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